薬剤師×予防医学士【キャリアクロストーク】

薬剤師と予防医学士、二つの業務をされてきた中山さんに、予防医学や予防医学士プログラムについて聞いてみました。

中山千秋
予防医学士 6期生、予防医学マイスター 9期生

I ) 元々は何をされていたのですか?

N) 東京大学医学部付属病院に約10年勤務したのちに、地域の薬局で薬剤師をしていました。患者様への調剤業務や病棟専任薬剤師として、医師、看護師らと一緒に患者の治療にチームであたっていました。
薬剤師は、薬学部を卒業後、薬剤師国家試験を受験し合格すればなれます。

I ) その当時はどうだったのですか、楽しかったですか?

N) すごく楽しかったです!もちろん大変さもありました。
日々の業務量も多く、最先端の治療には常に勉強が必要でした。忙しい日々でも、とにかく、やり甲斐を感じていました。

I ) そんな中山さんの転機 (予防医学に踏み出したキッカケ) は一体何だったのでしょうか?

N) 当時、薬剤師の友達から誘われて参加したのが「坂田さんのオプティマムファスティングセミナー」でした。全く興味なかったのですが、友達が面白そう!というので、なんとなく一緒に行ってみたのが始まりでした。

I ) セミナーを受講した感想は?

N) 薬剤師なので、それなりに身体のことも薬のことも勉強してきたので、分かっているつもりでした。健康の大切さも。

ところが、セミナーを聞いてみたら、
自分の知っていることがいかに表面的なものであったか・・・に気付かされたんです。

例えば、身体がどんな「バランス」でできているのか、とか。
身体に「バランス」ってあるんだ・・・と。

また、身体は食べたものでつくられている。当たり前のことですが、そうだよねと。
予防医学では基礎の基礎になる考え方をまったく知らなかったわけですが、おそらく多くの薬剤師(医療関係者) がそうだと思います。

「病院では、病気は見ているが、人を見ていない。」と言われたりするのですが、
例えば、癌には「標準治療」というものがあって、それに沿って治療していくわけです。

予防医学では、癌になる原因を探っていきます。アプローチとしては、身体のつくっている食事や栄養の見直しから根本的な改善を行います。標準治療では病気をやっつけることができたとしても、何の根本的な解決にはなっていないため再発のリスクとは隣り合わせです。

治療の最前線で薬剤師をまっとうすることも重要ですが、もっと全体像をみて、予防医学の世界をもっと知りたい・・・そう強く思いました。


そして薬剤師である私が予防医学を学ぶことにも意味があるのでは?とも感じました。

I ) 予防医学士プログラムを受講しての感想を教えて貰えますか?

N)「受けて良かった!!」 と100人のうち100人が言うと思います。
私もその1人です。

身体の仕組みから、身体を作っている栄養の知識が手に入る、栄養を食事からとっていく方法、食事では足りないものは補助食品からとる方法、その補助食品の選び方まで知ることができます。全てが結びついていて、学びながら実践することで身体の変化としても感じられます。学んだことがすぐに実践でき、体感まで得られるので、学んで良かったと感じられるんだと思います。

受講する前は、病気の解決策は薬と手術や放射線等の医療的措置以外にない、結局は医療に頼るしかないよね・・・と考えていました。

ところが、なんだ、もっと前にできることが沢山あるじゃないかと。
身近なところに、こんなにも健康のヒントがあるということに気付かされました。

そして、ずっと自分は健康だと思っていました。
薬に対する抵抗感がなかったですし、頭痛、生理痛、ムカムカするなど不調を感じるとすぐ薬を飲んでいました(対症療法に走ったわけです) 症状が良くなれば問題なしで、その症状があることに対して違和感を感じて来なかったんです。

予防医学を実践してから、全く薬を飲んでいません。
薬を飲みたくないと言うより不調がなくなったので、飲む必要がなくなったからですが。


体感できて、身体が健康になったら、考え方自体も前向きになって、人生が好転したことが、良かったの芯(コア) みたいに考えています。

I ) 予防医学の真の価値とは何だと思いますか?

N) 人生の最期が来ていないので分からないですが、「生涯健康でい続けられるためのメソッド」

予防医学に対して、時代は追い風になってきてはいますが、まだまだ医療に対する絶対的信用度が高いと思います。

日本は健康保険があるので、自己負担が少なくレベルの高い医療が売れられるという安心感があるので、予防しようと意識になりにくい。そんな社会の仕組みもありますよね。

病気になって、初めてどうしよう!?と考えることになるのかもしれません。
なので、予防医学の知識を知っているか、知らないかの差は大きいと思います。

I ) オプティマムヘルスの概念が分かり辛い気がしますが、

N) 定義すると、最適・最善・最高の健康

人によって違っていいと思います。どういう人生を過ごしていきたいのか? それによって変わるのかな。健康だからこそできることも沢山あると感じています。

I ) 予防医学士プログラムの受講を考えられている方に一言お願いします。

N) 悩むくらいだったら、絶対受けた方がよいです。受けて後悔することはない。受けなかったことを後悔することはあっても。

今はプログラム受講生のカウンセリングを担当しているので、受講生の変わっていく姿を近く見れたり、受講して良かったと言って下さるのがすごく嬉しいですね。

予防医学を仕事にすることで、感謝の質が変わったかもしれません。
病院時代は一時的に良くなっても死に向かっていることで、感謝はされてもどこかに無力感がありました。今は死から遠のいていく、前向きな感謝を受け取っている感覚です。