免疫を理解して冬場のウイルス対策をする方法⑥  坂田武士

世界保健機構(WHO)は2020年10月、これまでに世界人口のおよそ1割が新型コロナウイルスに感染しているという推計を明らかにし、いまだに世界の多くの人たちは感染のリスクにさらされているとしています。では新型コロナウイルス感染症の流行終息に必要なものはなんでしょうか。

その一つに「集団免疫」があります。集団免疫とは、仮に、ある人が新型コロナウイルスに感染し、体内に獲得免疫を作れたとします。そして、同じように獲得免疫を作れた人が増え、ある集団の中にたくさん集まったとします。そうすると、ウイルスが集団に入り込む確率が低くなります。ウイルスは人間なくしては増殖できないため、ここで感染の連鎖が断ち切られます。この状態を、新型コロナウイルスに対して集団免疫を確立した状態と言います。過去に集団免疫が成功した例として、麻疹や天然痘があります。もし、新型コロナウイルスに対して理想的な集団免疫が確立すれば、この流行は終息するでしょう。しかしながら集団免疫を確立するにはたくさんの条件を満たす必要があり簡単なことではありません。

【条件1】獲得免疫を持つことができるか。

新型コロナウイルスについては感染によって十分な獲得免疫ができるのかや、それがどれくらい持続するのかがわかっていないため、実用性のあるワクチンが開発できるか、まだはっきりとわかっていません。

【条件2】獲得免疫はどれくらい持続するか。

獲得免疫を持てたとしても、その持続時間は病原体によって異なります。例えば、麻疹は一生のうち2度ワクチンを打てば獲得免疫が持続されると言われていますが、インフルエンザは毎年ワクチンを打つ必要があります。新型コロナウイルスについてはデータがないため、今後の課題となります。

【条件3】ウイルスの感染力の強さはどうか。

新型コロナウイルスが1人の感染から平均して2.24-3.58人に感染すると考えると、計算上55.4-72.1%の人が獲得免疫を持っていないと集団免疫は確立しないと言われています。感染してもほとんどの人は回復しますが、中には重症化して亡くなる人もいます。獲得免疫を得るために感染する人が多ければ多いほど、亡くなる人も増えていくと考えられます。

以上のことからしばらくは集団免疫を確立するよりは、まずは感染を広げないための対策をすることが重要と考えます。そして、私たち人間が持っている優秀な免疫システムを最大限強くすることが最優先の取り組むべき習慣です。食事や栄養バランス、睡眠、運動など、日々の生活においてできることを今一度見直していきましょう。

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