免疫を理解して冬場のウイルス対策をする方法⑤  坂田武士

新型コロナウイルスは世界を震撼させていますが、現在のところ感染経路、有効なワクチンや治療法、感染してからの経過など、解明されていない部分が多々あります。そのため、世界中の研究機関が新型コロナウイルスの解明に向けて様々な調査・研究を進めています。では、私たちは有効なワクチンや治療法ができるまで怯えながら生活を続けるのでしょうか。私たちが今日からできることは、免疫力や自己治癒力を高めることです。今回は、体内に侵入して増殖したウイルスの感染を広げない第三次防御機能(獲得免疫)についてお話して行きます。

獲得免疫とは、T細胞やB細胞といったリンパ球が主役となり、出生後、病原体や毒素などの異物と接することにより獲得される、抗原特異的な免疫機構が獲得免疫です。獲得免疫は、自然免疫で対応しきれなかった異物に対し、より強力な作用で対抗しますが、初めて出会った異物に対して有効性を発揮するまでには5〜7日程度の準備期間が必要となります。一方で既に出会ったことのある異物に対しては、その異物に特異的なリンパ球が記憶細胞として存在しているため、速やかに対応することができます。この現象は免疫記憶と呼ばれ、獲得免疫の最大の特徴です。一度麻疹にかかった人が二度と掛からなくなったり、予防接種が感染を防ぐのはこのためです。

獲得免疫が、まず初めに異物をキャッチするのは樹状細胞です。異物と出合いやすい皮膚や粘膜に潜んでいます。そこでそれぞれの異物が出す特有の「抗原」を見つけ、リンパ液に乗ってリンパ節へむかい、待ち構えるキラーT細胞とヘルパーT細胞に抗原の情報を伝えます(抗原提示)。抗原提示を受けたT細胞は、マクロファージやNK細胞を活性化すると共に、その抗原に対応するB細胞やキラーT細胞を活性化させます。その後、B細胞やキラーT細胞の働きで抗原が排除されます。

B細胞は、異物の情報をもとに、捕まえるための特別なタンパク質を作ります。これが「抗体」です。抗体は水に溶けるので血液に混ざって体中をめぐり、敵を見つけて捕まえて無力化します(体液性免疫)。キラーT細胞は、増殖し、力も強くなり、抗体に捕まえられた異物を破壊して殺すだけでなく、異物にのっとられた細胞も、外敵もろとも破壊してしまいます(細胞性免疫)。

免疫系の働きは、栄養の摂取バランスによって変化することがある。したがって、栄養学と免疫学は密接に結ばれています。特定の微量栄養素(必須ビタミンと必須ミネラル)の欠乏は、自然免疫と適応免疫の両者に悪影響を与える可能性があり、感染と病気へのリスクを増大させるため、今一度食習慣、栄養摂取習慣を見直しをしてみてはいかがでしょうか。

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