免疫を理解して冬場のウイルス対策をする方法④  坂田武士

夏場になっても新型コロナウイルスが猛威を振るい、私たちの生活スタイルや生き方、考え方全てを変えてしまいました。今一度、ウイルスについて基本的な理解を深めておきましょう。そもそも、ウイルスは生き物としての基本を備えておらず。単なる感染性を有する粒子に過ぎません。つまり厳密には生き物とはいえないウイルスを“殺す”という表現は適切ではありません。ウイルスは宿主であるヒトの細胞内に侵入し、その細胞の働きを利用しない限り数を増やすことができません。ヒトの細胞に侵入しなければ何もできない物質に過ぎないということです。

つまり、ウイルスはヒトの細胞内に侵入し増殖したい、ヒトは侵入を防いで増殖を抑えたいという戦いになります。そのために私たちが防御できるポイントは3段階あります。初めに、ウイルスを侵入させない第一次防御機能(生体防御)、次にウイルスが感染した細胞をすみやかに取り除く第二次防御機能(自然免疫)、最後に増殖したウイルスの体内での感染を広げない第三次防御機能(獲得免疫)です。

自然免疫とは、ウイルスや異物がいつ侵入してくるかわからない状況で、病原体に共通する特徴を幅広く認識し、食作用などにより即座に反応する生まれつき持っている免疫のことを言います。

自然免疫の仕組みは、①好中球・樹状細胞・マクロファージによる食作用。②NK(ナチュラルキラー)細胞による感染細胞への攻撃。③それらを効果的に行うための発熱と炎症が起こる。です。

感染初期の段階で自然免疫に期待するところは大きいですが、獲得免疫のように時間の経過や繰り返し感染することで増強される免疫力はありません。しかし私は、自然免疫を担う細胞の中で、NK細胞に注目しています。NK細胞は、大型で殺傷能力が高いリンパ球の一種です。早期の異変を起こしたがんなどの腫瘍細胞を攻撃して増殖を抑えたり、ウイルスに感染した細胞をいち早く見つけ出し排除したりと重要な役割を果たす細胞です。

NK細胞を含む自然免疫の活性を高めるには、発酵食品と食物繊維です。体内の免疫の60〜70%が存在すると言われる腸内を整えることは不可欠です。たんぱく質やビタミン、ミネラル類は、免疫細胞を産生したり活動を活性化するのに必要です。それ以外にも、免疫力を落とさないために毎日の生活で心がけたいことは、体温を下げないことです。「体温が一度下がると免疫力は30%落ちる」と言われています。基礎代謝に影響を及ぼす筋肉量を維持、増量するような食生活と運動習慣を心がけましょう。いろいろな食材を摂ることこそ、多くの栄養素を摂ることにつながります。そして、旬の野菜や魚類を食べることは栄養面だけでなくおいしさの面でも効果的です。楽しく食事をし、そして腸内環境を整え、筋肉をつけて免疫力アップにつなげましょう。

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