免疫を理解して冬場のウイルス対策をする方法②  坂田武士

西洋医学と東洋医学は、対症療法と根治治療法とで見地が全く違います。新型コロナウイルスで言えば、西洋医学は症状が出たあとに、その症状に対しての処置が行われます。例えば、咳や発熱、息苦しさに対して投薬をし症状を抑えます。呼吸困難になれば人工呼吸器を備えます。実際に、軽症と言われる状態には隔離と安静という措置になります。

東洋医学では治療以前にウイルスを身体に入れない免疫機構を活性化させることができます。たとえウイルスに罹患したとしても自己の治癒力や自然の力を借りて養生し中庸を保てる状態を作ることで重症化を防ぐことができます。中国最古の医学書と言われる2000年程前に書かれた古典「黄帝内径(こうていだいけい)」に「未病」という言葉が出てきます。未だ病にはならずとも、このままだと病気になるという解釈です。この未病のうちに、自己治癒力や自己免疫力を高めていきたいのです。

では、何をどうしたら良いのでしょうか。まずは、自分自身が感じている身体症状や心的状況を観察してみてください。いつもと違い、熱っぽい、鼻水が出る、咳が出る、下痢をしているなど。これらは重要な生体防御の免疫反応であることを理解しましょう。人間は、異物の侵入を防ぐ第一の防御機能として皮膚と粘膜による物理的・化学的防御があります。皮膚は病原体の侵入を防いでいます。皮脂は皮膚表面を弱酸性に保ち細菌の繁殖を防ぎ、汗にはリゾチームという細菌の細胞壁を破壊する酵素が含まれています。粘膜では、鼻水や唾液による殺菌、くしゃみや咳による異物の排除、気管支では繊毛上皮による異物の排除、強酸性の胃酸による殺菌などを行っています。

さらに発熱することは、病原体が活発に増えることを抑え、また体の免疫力を高めて白血球が効率よく病原体を退治するための生体防御反応です。つまり、身体で起こっている発熱、くしゃみ、咳、下痢などの症状を西洋医学的な治療で抑えることは、免疫反応のひとつの生体防御反応を止めてしまっているとも言えるのです。生体防御反応が出たときは、規則正しい生活習慣、良質な睡眠の確保、栄養バランスの良い食事に意識を傾けて、水分補給をしっかりすることから始めてください。

様々なウイルスとの共存は人類の歴史の中で幾度となく繰り返されてきました。感染しない強靭な精神と生体防御が高い身体を手に入れるために正しい免疫の知識を身につけましょう。次回は、体内に侵入した異物を排除する免疫の仕組みについてお話しします。

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