質の良い休養(睡眠)で心も身体も健康になろう  坂田武士

日本は、世界でトップクラスの「眠れていない国」と言っても過言ではありません。厚生労働省の「平成29年(2016年)国民健康・栄養調査」では、20.2%の人が「睡眠で休養が十分に取れていない」と回答。この比率は40代に限れば30.9%に達し、2009年の調査以降、年々増加傾向にあり、経済協力開発機構(OECD)が調査した33カ国のうち、日本の平均睡眠時間は最低という結果が出ています。

良質な休養のために時間を確保することも、予防医学を実践する上でとても重要です。休養は、「休む」と「養う」という二つの言葉から出来ています。「休む」とは、仕事や活動によって生じた心身の疲労を回復し、元の活力ある状態に戻すことです。「養う」とは、明日に向かっての鋭気を蓄え、身体的、精神的、社会的な健康能力を高めることです。この二つが伴って、始めて良質な休養と言えるのです。

睡眠には、「脳や交感神経を休ませる」「成長ホルモンで代謝を促進する」「記憶の定着と整理を進める」といった、多くの重要な役割があります。従って、睡眠不足が何日も続くと、次第に「睡眠負債」が蓄積され、心身のパフォーマンスが落ちてしまいます。更に質の良い睡眠とは、6時間以上の快適な睡眠時間が確保されていて、寝付きが良い、途中で目が覚めない等、眠りの質も重要です。

快眠のためには、メラトニンとセロトニンというホルモンが重要です。メラトニンは「睡眠ホルモン」、セロトニンは「幸福ホルモン」と呼ばれています。メラトニンは暗くなり始めると分泌量が増え、体の深部体温を下げ、自然な眠りへと導き、セロトニンは朝日を浴びると分泌が始まり、活力をもたらします。メラトニンを増やすカギは、必須アミノ酸のトリプトファンです。トリプトファンは主に、肉・魚・大豆・乳製品などの食品のタンパク質に含まれていて、体内に入って脳に運ばれた後、セロトニンに変化します。そして、夜になるとセロトニンは「睡眠ホルモン」であるメラトニンに変わり、眠りをサポートするのです。そのため、快眠をゲットするには、トリプトファンをしっかりと摂取することが重要です。さらにトリプトファンからセロトニンを合成するときには、ビタミンB6(レバー、魚、玄米等)や鉄(レバー、貝類、ほうれん草等)が必要で、セロトニンの合成が効率的にできます。

質の高い睡眠のための準備をして、心も身体も益々健康になれるよう、生活習慣や食習慣を見直してみましょう。

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